順番を覚えることは、
あなたが思うよりメリットが大きい。
序論:レッスンで厄介なこと
バレエレッスンは、即興性が高い。
提示されたアンシェヌマンを即時覚え、その場で行う。
その為、速く、正確に覚える必要がある。
本稿では、段階別の考え方や対処、レッスンの流れについて整理する。
本論:順番を覚える価値とバレエレッスンの流れ
本論1:順番を正確に覚える必要性
必要性をはっきりと察知していないと、体の反応が鈍くなる。
まずは、ここから整理しよう。
①自分が持っている以外の 運動パターン を獲得する。
自分の運動パターン数が限定されていると、対応力に欠ける。
つまり、教師のオーダーに答えようとしても、対応するだけのストックがない。
教師は、自分とは違う運動パターンを持っている。
その教師が作成したアンシェヌマンを、正確に覚えて動くことは、運動パターンを増やす強力な手助けとなる。
②アライメントが崩れる、タイミングが失われる。
順番を覚えていないと、他人を見ながら動くようになり、その時点で、アライメントやポジションは不正確になる。
また、人の動きを見てから動くと、求められたタイミングから遅れてしまう。
間違ったタイミングの修正に、多くの時間がかかる事を、あなたならご存知のはずだ。
③課題やテーマに取り組むことが出来ない。
バレエレッスンのメインイベントは、自分自身や教師からの 提案・課題・テーマ に向き合う事にある。
決して、順番や手順を覚えることが、最終目的ではない。
本論2:大問題となること
誤解がないように、述べておきたい。
本論1ー②で、他人の動きを見ながらレッスンすることへの弊害を述べた。
とはいえ、その限りではない事を、ご承知いただきたい。
ご存知の通り、バレエ動作・クラス・担当教師に慣れていない状況においては、順番は入りにくい。
その場合は、以下を参考にして頂きたい。
もちろん、バレエ・クラス・教師に慣れていたとしても、経験の薄いステップが出てきた場合も適用する。
▶︎最初から最後まで、完璧に覚えようとしなくて良い。
▶︎プレパラシオンから、4カウント・8カウント・16カウントに区切って、覚えてみる。
この結果として、[8カウントは覚えられたけど、その先が覚えられなかった!] ということがあるだろう。
大いに結構な話だ。
覚えられなかった分、鏡越しに他人を見ながらやっていたとしても、それで良い。
少しずつ、覚えられる量を増やしていけばいいのだ。
順番を覚えようとして、覚えられなかったのが、悪いのではない。
順番を覚えようとしないことが、大問題であることを整理しておこう。
本稿で書かれていることは、こうした配慮の上であることを、ご理解頂きたい。
闇雲に怖がる必要はない。
本論3:Lesson flow
ラスト1回!
この時、ようやく順番が入る。
これが 普通 になっていないだろうか?
覚えようとしたけど覚えられず、最後の1回でようやく覚えられた!
この場合は、何の問題もない。
むしろ、よく頑張った と褒めるべきである。
その上で。
もっと速く順番が入る能力を持っている場合、これで満足するのは勿体ない。
遠慮なく、次のステップへ進めば良い。
順番は、可能な限り速く、全力ダッシュで覚えるに越した事はない。
それには、理由がある。
(図)
バレエレッスンでは、図にあるような 流れ があり、この過程を踏んでいく。
最後の1回で、ようやく順番が入る状況とは、ステップ①で終了してしまうという事である。
バレエレッスンのメインイベントまでたどり着けていない。
全力ダッシュが大事な理由、あなたには、ご理解頂けると思う。
結論:段階を作ること
アンシェヌマンの順番を正確に覚えることは、それだけでメリットがある。
デメリットはない。
段階に沿って考えることが出来れば、覚えられなくて落ち込む必要も、その場で停滞する必要もない。
間違えたからといって、自分を責める必要もない。
順番を覚えるにあたって役立つ、実践編は、次の機会に述べる。