無意識でも正しく膝が伸びると、バレエで美しいとされる脚線美を出せるだけでなく、加齢による膝のトラブル予防や改善に役立ちます。
また、「膝をロックしないで!」という指示を守ろうとする余り、膝を伸ばしきれない場合は、指導言語の理解を深めることが有効です。
この記事では、ヴァレリー・グリーグ著「インサイド・バレエテクニック」を活用して、正しい知識を解説します。ぜひ、参考にしてください。
「膝をロックしないで!」の真意
指導言語を正しく理解することは、正しいバレエテクニックにつながります。ここでは、実際のバレエレッスンで使われる「膝をロックしないで!」という指導言語について理解を深めましょう。
現在の「膝をロックしてはいけない」という指示は、ダンサーが膝を伸ばす時に、フトモモの筋肉を引き締めないまま、膝を後ろに押しつけすぎてはいけない、ということです。
ヴァレリー・グリーグ著 インサイド・バレエテクニック
膝のロックには、2つの意味があります。一般的にバレエクラスで使われる「膝のロック」は、このタイプに該当します。
押し込みタイプ
この意味での「膝をロックしないで!」を、もっと具体的にいうと「膝を押し込まないで!」になります。
支持脚によく見かけますが、筋肉の働きがない状態で膝に体重がかかるような立ち方をしていると、膝が押し込まれてしまいます。
一見、膝が伸び切っているように見えますが、正しい伸ばし方ではありません。コントロールやアンディオールができず、膝のケガを誘発してしまいます。
緩みタイプ
一方で、膝のロックをしないようにした結果、常に膝が緩んでいる・膝が伸びなきらないケースもあります。
膝が緩んだ状態は、非常に不安定です。大きな事故を招く場合もありますので、一刻も早い改善が望まれます。
- 可動域がなくて膝が伸びない
→リリースとストレッチを行う - 可動域はあるが膝が伸びない
→筋肉の働きによって膝を伸ばせるようにするエクササイズを行う
正しい膝のロックとは?
同じ「膝のロック」でも、こちらは正しい意味になります。レッスン中、「膝をロックして!」と指示が出た場合、先生の指示が誤っているのではなく、こちらの意味を指しています。
同じ言葉でも意味が異なりますので注意しましょう。
ヴァレリー・グリーグ著 インサイド・バレエテクニック正常な膝では、膝が正しく伸ばされ、大腿四頭筋が膝蓋骨を持ち上げていれば、側副靭帯と膝十字靭帯がぴんと張って、膝関節は解剖学的にいって、ロックされた状態になるはずなのです。
膝を正しく伸ばせていれば、何もしていない時と比べて、膝のお皿の位置が上がります。
むやみやたらに太腿に力を入れるということではなく、「膝を正しく伸ばす」という仕事をするために、必要あって筋肉が働くのです。
膝の引き上げ手順
大人の場合、膝のお皿が動かなくなっていたり、筋力低下によって筋肉が活動しにくくなっている場合があります。
その場合でも、手順に沿って適切に対応することで、正しい膝の引き上げができるようになり、美しい脚線を作ることができます。
膝のリリース
膝周辺に脂肪がついていたり、長年膝を伸ばしていなかった場合、膝のお皿が固定されてしまい、うまく引き上がらない場合があります。
癒着をとり、膝のお皿が動けるようにするリリースがマスト。続くエクササイズの効果が得やすくなります。
パテラ(クアド)セッティング
膝の可動域が足りない場合だけでなく、膝を押し込んでしまうタイプにもおすすめです。
低負荷で筋肉を働かせつつ、膝裏の柔軟性を高めることができます。
JBP バレエWS「膝の引き上げ」
膝のリリースやパテラセッティング、エクササイズやバレエ動作への変換などを全てセットでお伝えします。
ジャンプなど、素早いバレエステップで膝を伸ばせるようになる練習法なども紹介しますので、普段のレッスンに取り入れやすい内容です。
膝の引き上げや伸ばし方、バレエ動作で伸ばせるようになりたいという方におすすめです。
まとめ
膝のロックには、2つの意味があります。いずれにしても、正しく膝を伸ばし、引き上げましょう。安全かつ、美しいバレエテクニックを身につけられます。
また、リリースやパテラセッティング、エクササイズなどを通じて、バレエに限らず日常生活での膝のトラブルを防止しましょう。
JBP バレエワークショップ
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