人間の不都合な真実|大人のバレエ

 

“あなた” と “おニャーさん” の井戸端会議。

しばしの時間、おしゃべりにお付き合いください。

 

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人間は、生まれたときから「入力と出力」を繰り返して成長します。

それは、サイクルとなってグルグルと回っています。

 

例をあげてみましょう。

生まれたばかりの赤ちゃんは、言葉で話すことができません。

が、私たちはこうして、コミュニケーションを取ることができます。

 

どのようにして言葉を覚えるのでしょう?

 

まず、身近な人の声を聞いて、言葉が耳に入る。

すなわち、入力です。

 

自分で真似て、発音してみる。

すなわち、出力です。

このとき、”自分で” 発した声・言葉も “自分で” 耳にします。

 

すると、大人が話している言葉と自分が話した言葉の違いを認知します。

そして、フィードバックする。

 

これが図でいうところのオレンジ色の点線部分で「学習」と言います。

入力、出力、学習して、またこれを繰り返す。

こうやって言葉を話せるようになっていきます。

 

要するに、

①聞く ②コピーする・真似する ③違いに気づく ④同じになるように工夫する

これを繰り返しています。

人間が備えている能力です。

 

 

バレエレッスンを当てはめてみましょう。

 

「入力」は、何になるでしょう?

・先生の話をしっかりと聞き入れる。

・先生の動きをしっかりと見る。

・先生以外でも、上手な人の動きを見る。

 

「出力」は?

・先生が言ったこと・動いたことをやってみる。

・先生や上手な人の動きをコピーしてみる。

 

これをやった上で、

「同じになるようにやってみたけど、なんか違うなー」と気づく
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「こうしたら、もっと近くなるかな?」策を練る。

こうやって、またサイクルを繰り返す。

 

 

SNSなどを見ていると、今日のレッスンよくできた・できなかった。

一喜一憂しているのを見かけます。

レッスンにかける思いが強いからこそなのでしょう。

 

その上で。

これだけでは「学習」にはなりません。

 

レッスンで大事なことは、うまくできることでも、いいところを先生や同じクラスの人に見せることでもありません。

「学習すること」です。

 

先生の話を聞き入れなければ、しっかり見なければ「入力」にならない。

そして、実際にコピーして動いてみて「私はこうしてみました、どうですか?」と提示しなければ、先生も客観的意見を伝えることができません。

 

 

子供・大人問わず、伸びる人というのは、出力の仕方が全く違います。

伸びない人というのは、出力しているつもりで、出力になっていないんです。

だから「学習」にならない。

学べないんです。

 

 

それはなぜでしょう。

自分で判断するからです。

伸びる人は、「判断」を「判断すべき人」に任せます。

 

バレエなら先生でしょうし、会社なら上司や取引先になるでしょう。

想像しながら読んでみてください。

 

「できるだけたくさんのペンを持ってきて!」と指示が出ました。

可能な限りペンを集めて持っていきます。

例え「余るかも」と思ってもです。

 

伸びない人というのは、自分で判断します。

なんでも「自分。」

これはね、子供も大人も同じことしています。

 

 

「できるだけたくさんのペンを持ってきて!」と言われて、こう思います。

「できるだけね、20本くらいだな。20本集めていけば大丈夫だろう。」

 

がんばって20本集めました。

けれど、実際には50本必要な状況になり、周りからの評価は下がってしまう。

なぜなら、「できるだけ」と言われていた上、まだ、ペンを集めることが可能な状況だったにも関わらず、20本くらいでいいと、勝手に判断してしまったからです。

 

一方で本人は、「がんばったのに!」と反発してしまう。

 

 

こうやって文章にすると、ほとんどの人間は前者だと思いがちですが、実際に多いのは後者なんですね。

人間って、勝手に判断してしまうんです。

 

なぜかというと、根本的に、人間って怠け者です。

だからこそ、文明が発達したのでしょう。

 

 

その怠け症を意図的にカットできないと、前者にはならないんです。

普通は怠けたいから、後者なんです。

 

「20本くらいあれば十分よねー、何本ってはっきり言っていなかったし」と理由をつけて怠けたがるのが人間。

前者になるには、この無意識の怠け症を制御しなければならないわけですから、誰にでもできることではないんですね。

 

何が言いたいかというと、まず、出力するときに「自分で勝手に決めない」ということが大事なんです。

その出力に対して、客観的にどうしたらいいのかを「先生が判断する。」

その判断に対して、自分がしたことと客観的視点の「溝」を認識して、調整をする。

これが学習だということです。

 

レッスンというのは、この学習の繰り返しです。

ですから、いいとか悪いとかを自分で勝手に決めてしまうと、学習にならないわけです。

 

世の中的にはこれを「自分に甘い」と言いますが、それはそうなんだけども、これが「普通」なんです。

 

問題はそこではありません。

普通の行動で「ワンランク・ツーランク上のことができる」と思っているところにあります。

 

今より上にあがるなら、それなりの学習が必要です。

無意識に起きていることでも制御することが必要になってくるというワケです。

 

”自分で判断する=普通の行動” で、「指導が悪い、できない、クラスがどう」というのは、例えば、10万円するブランドもののジャケットを3000円で売れ!売らない方が悪い!と言っているようなものなのです。

そんな品のない話はありません。

 

 

ほとんどの人は後者ではあるけれど、こうした人間行動の仕組みを知ることで変化する人もいます。

行動が変われば、結果が変わります。

結果が変わると面白いものだから、学習するというサイクルをどんどん重ねていく。

 

それが、イキイキと輝く人の秘訣なのかも知れません。

 

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今日は、このあたりにしましょう!

お付き合いいただき、ありがとうございました。

 

おニャーさんより

 

著者おニャー

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