2022/06/14
”バレエ用”呼吸で体を上げる~大人の引き上げ
呼吸とバレエをリンクさせたワークショップ。
今回は、よくなったことと今後の課題がはっきり見えて、私自身、非常に勉強になりました。
また、体の先生からも様々なご指摘を受け、今後のとても明るい景色を感じることができました。
課題があるということは、未来があるということ。
まだまだ、やれることがあるというのは、未来があるということ。
素晴らしいことです。
さて、レポートをしましょう。
まず、バーの持ち方がとても良くなっていたことを改めて実感しました。
バーを使ったバーレッスンだからこそ修正できることを、しっかりと身につけることができるようになっていました。
バーは、ただ触るだけでは意味がありません。
バーを「どう利用するか」意外とテクニックが要ります。
バーをしっかり活用できないと、バーを使うことでのデメリットばかりが身についてしまいます。
バーレッスンが大事という方は多いですが、実際、どうでしょう?
大人の場合、特にバーの持ち方ができていない方がほとんどです。
そうなると、バーレッスンをすればするほど、体や運動の機能が落ちてしまうという現象が起きます。
バーレッスンがバレエの基本だと勘違いし、基本が大事だからとバーレッスンを熱心に取り組む人の方が、案外踊れないケースがあります。
それには、理由があるのです。
「あの人は、基本を大事にしているようには見えない。なのに、なぜ私より踊れるのだろう」
それは、大きく2つに整理できます。
1つは、バーレッスンを基本だと勘違いしていること。
2つ目は、バーの持ち方ができていないのに、バーレッスンに費やす時間、労力を割くために、デメリットばかり身についてしまうこと。
決して、偶然ではありません。
話を戻しましょう。
バーの活用法が良くなってきた。
だからこそ、次の課題として「センターのプレパラシオン」が課題です。
バーを活用して、腕や肩、肩甲骨、胸のポジションが取れるようになった。
センターになって、それを自分で生み出さなければならないシーンになると、位置が崩れてしまう。
最も、これは〔時間の問題〕の可能性もあります。
何も考えなくても、センタープレパラシオンが取れるまで、レッスン(バーレッスン)を繰り返せば、よくなっていくかもしれません。
習慣として。
ごく当たり前の発想のように感じますが、現実問題、これが通用するのは子供達になるでしょう。
大人の場合、それぞれの事情もあってレッスン量の確保がしにくい傾向にあります。
だからこそ、プレパラシオンをきちんととるべきなのです。
この日、体の先生から指摘を受けたことの1つが「いろいろ考えてやっているからこそ、起きたことなのだろうけれど、いつもよりプレパラシオンが取れていない」ということでした。
ただし、「バーレッスンが良くなってきたからこそ感じること」とも、おしゃっています。
JBPにいらしている人と、そうでない人の差。
こういう「基礎」に関しては、天と地ほどの差が出ます。
普段、「基礎、基礎」言っているわけではありませんが、皆さん、ちゃんと基礎は身についています。
呼吸に関してのWSですから、そちらに関しても述べていきましょう。
今回は、意図的に「吐く」ということをやってみました。
動きの中で「吐く」というのは、実は、非常に難しいことです。
体が落ちてしまうようなら、意識しない方がいいくらいです。
そうしたこともあり、今回は、バーレッスンのみでの活用となりました。
が、これがとても良かったです。
呼吸の仕方自体は、かなり良いです。
ここまで、体が落ちることなく「吐く」ができたことは、正直、驚きです。
そして、呼吸が“バレエにとって“適切に行われると、こんなにも体が立体的に変わることにも驚きました。
何せ、その場で変わるわけですから。
裏を返せば、普段のレッスンではそれだけ、お腹べこべこ、呼吸することで体が平坦になってしまっているということなのでしょう。
センターレッスンでは、回転やジャンプでの呼吸について試行しました。
短く吸うことに慣れていきましょう。
全体のまとめをすると、この日の冒頭でお話ししたように、呼吸が何かを劇的に変えてくれるわけではありません。
けれども、呼吸によって邪魔されていた要素を打ち消すことはできます。
例えば、呼吸が適切ではないために、お腹がべこべこと動き、体が下がってしまう。
そのために、回転がしにくい、跳びにくい、脚を上げにくい、つま先が伸びにくい、脚を開きにくいなど。
こうした場合は、邪魔している要素を消せば、当然、動きは良くなります。
また、呼吸が動きを手助けすることは大いにあります。
タイミングを掴みやすくなるメリットもあります。
その上で。
バーだけならともかく、センターのバレエ動作で呼吸を効果的に活用したいのであれば、1つ、条件があります。
瞬発力です。
これがなければ、呼吸をしても動作への反映が薄くなってしまいます。
もちろん、体は下がりにくくなりますから、それだけでも、適切な呼吸に切り替える価値があります。
ただ、呼吸を動作の補助だったり、タイミングをとることに活用するとなると、瞬発力がないと、なかなか厳しいかと思います。
では、どうやって瞬発力をつけるか。
大人が、自分の意思でできることは何か。
1つは、単純にジャンプではしっかり跳ぶこと。
大人にとって、ジャンプでいつもいつも「綺麗だったらたくさん跳ばなくてもいい、質より量だ」という考えは、大変危険です。
もちろん、それが必要な場合もあります。
ですが、常時やってしまうと、運動能力が低下するばかりです。
つま先や膝を意識すると跳べないのであれば、そもそも、つま先や膝の伸ばし方が間違っています。
ジャンプはしっかり跳びましょう。
もう1つ、異なる視点から言うと、行動力と反応スピードになります。
こちらに関しては、バレエ以外でも共通しているかと思います。
行動が早い人というのは、大体、瞬発力もあります。
常に、人から出遅れて行動する人は、レッスンを見ていても、常に動きが遅くなりがちです。
ここに関しては、わかっていることはたくさんあっても、私たちから指摘することができません。
私たちができることは、バレエの指導と運動の指導です。
思うことがあっても、気づいていることがあっても、わかっていることがあっても、指摘することはできません。
大人ですから、あとは、自身がどう導くのか。
ここにかかっているかとは思います。
総合的にまとめると、確実に良くなったことがあるからこそ、次の課題が見えた回ということになるかと思います。
バーレッスンは、本当にお見事でしたから。
ここまで、バシッと立ち姿勢ができると、脚がとても軽やかに見えます。
当日、体の先生からもお話がありましたが、腕や肩、ボディの使い方や脚の使い方に関してなど、今後の課題として上がっている項目は、何ヶ月か連続で徐々に進めてまいります。
今年の夏は、1つのプログラムで完結と言うよりかは、1つのプログラムをやって、少し寝かせ(熟成させ)次のプログラムでもうちょっと先に進める、といった方式を取ります。
これまで概要なり、材料となる体の局所的な動かし方や強化、可動域確保などをやってまいりました。
これらをより、実際のバレエ動作へと反映させるために、より「集中的な取り組み」で、体に染み込ませていこうというシーズンにします。
対策はありますので、過度に心配せず、確実に身につけましょう。
ということで、今年の夏は「基礎固め」になります。
8月もです。
今年の夏も暑そうですから、暑い時期にしっかり基礎に取り組み、涼しくなった頃に基本や応用などで活用の幅を広げましょう!
InstagramにWSの写真を掲載しています。
雰囲気を感じてみてくださいね♪