11月ワークショップ発表!

第2ポジションのプリエ|狭め・広めのメリット・デメリット

何も知らないからこそ
”正しい”と思い込む事が出来る。
しかし、真の”正しい”ではない。

 

序論:何が”正しい”と言えるのか

かねてより、申し上げている事ではあるが、現代におけるクラシックバレエの”正しい”とは、バレエという世界においてのコモンセンスが大半を占める。

ここに関して、世の中のバレエ教育に携わる方々に物申したい事はあるが、個人的な意見を述べるのはやめよう。

 

そして、バレエにおける”正しい”とは、メソッドやスタイルによって異なる場合がたくさんある。

同一のメソッドの中でも、教師によって判断が異なる場合もある。

 

こんな話を聞くと、「全く、どれをやったらいいの?どれが本当に正しいの?」と嘆きたくなるかも知れない。

そう、私が物申したいのは、まさしく [そこ] である。

 

そうした問題がある時は、JBPが発信している情報を探してみるといい。

実際のワークショップでもそうだが、どんな方法があるのか提示し、メリット・デメリットをお伝えするようにしている。

 

決して、○○がこう言っていたから正しいんです、なんて言い方はしない。

きちんと、身体部の先生方とも一緒に、どのような体のシステムで、どのような動かし方をしているのか、精査した上で提示をする。

 

 

第2ポジションにも、こうした問題が付き纏う。

本稿では、第2ポジションについて述べる事とする。

 

 

本論:第2ポジションのプリエ|狭め・広めのメリット・デメリット

本論1:第2ポジションとプリエの”絶対”

第2ポジションは、第1ポジションから、横に足を広げた形を取る。

 

足と足の間(以降、歩幅と記す)が、どのくらいなのか。

メソッドやスタイルによっては、

 

・○足分、あける

・○センチ、あける

・タンジュの幅を利用した、あける

 

など、はっきりと決まっている場合がある。

 

[バレエなら、こう] ではなく、このメソッドなら、このスタイルなら、という話なので、当然、メソッドやスタイルが変われば、正しい歩幅は変わる。

 

 

この歩幅に関しては、ここでは厳密な数字は、敢えて言わず、狭めの第2ポジション、広めの第2ポジションと明記する。

いずれにせよ、狭かろうと、広かろうと、指定の歩幅があるのならば、それをやってみる事自体が大事なのだ。

 

 

もう1つ、大事な事を先に述べておく。

 

プリエでの足首は、致し方なく曲がるのであって、自ら率先して曲げたり、折り畳もうとしてはならない。

こうすると、必要な股関節の可動が制限され、アンディオールする事が出来なくなる。

 

さらに悪い事に、体重という重さが膝にかかり、ケガを誘発してしまう。

 

脛を甲に近づけるように、足首を折り畳んではならないのだ。

このような ”腿が滑っているプリエ” は、絶対に、避けなければならない!

 

 

 

本論2:それぞれのメリット

それぞれのメリットを整理しよう。

 

▶︎狭めの第2ポジション

狭めの第2ポジションを取るメリットは、腰の高さと背中の保持に集約される。

 

そもそも、第2ポジションというのは、第1ポジションよりも歩幅が広がる為、それだけで腰が下がり易い性質を持つ。

狭めの第2ポジションでは、上半身を強く保ち、体の高さを保持する事が優先される。

 

特に、腰と背中を強く保つ事を優先したいのであれば、狭めの第2ポジションは有効である。

 

 

 

▶︎広めの第2ポジション

広めの第2ポジションは、脚を開き易い、回し易いという性質を持つ。

 

これは、本論1で述べた、足首に関する話と直結している。

 

歩幅が広い方が、足首は曲がりにくい。

半ば、強制的に足首を曲げるという行為を抑制しているというのが、広めを取る最大のメリットである。

 

さらに、歩幅が広い方が、脚の筋が積極的に活動し易い為、速やかに全身を温めてくれる性質も持っている。(注1)

 

 

 

 

本論3:それぞれのデメリット

それぞれを選択する際に、気をつけなければならない事を整理する。

 

▶︎狭めの第2ポジション

背中をはじめとする、引き上げに関する項目はし易いが、アンディオールを促しにくい、というデメリットはある。

歩幅が狭い分、足首を曲げがちだからである。

 

もう1つ、支持基底面が狭く不安定な為、体を前後にずらす事で安定させようとしてしまう事がある。

大人は、特に気をつけねばならない。(注2)

 

つまり、こういう事だ。

・出っ尻になり易い

・胸を突き出し易い

・体が前に倒れ易い

 

お心当たりはないだろうか。

 

 

 

▶︎広めの第2ポジション

狭めの第2ポジションとは対照的に、アンディオールはし易くとも、上半身を保つ事が苦手な事は、しっかりと把握しておくべきであろう。

 

腹部や腰背部の緊張は抜け易い。

緊張が抜けると、緩んでしまう。

 

腹部や腰背部には、必要な仕事を与え、一定の緊張を保たねばならない。

 

特に、広めの第2ポジションでのグランプリエは、要注意である。

 

・腰、背中が丸まっていないか

・腹部にレオタードのシワが寄っていないか

・胸が落ちていないか

 

注意すべきであろう。

 

 

 

 

本論4:活用する際に知っておくと便利なこと

それぞれに、メリット・デメリットがある事は、お分かり頂けた事と思う。

 

 

大切なのは、

・”どちらが正しいか”ではなく、バレエとしては ”どちらも正しい” という事を知る事。

・メリット・デメリットを知った上で選択する事。

この2点である。

 

引き上げを優先したいのであれば “狭め “、開く事を優先したいのであれば “広め” という選択もあるだろうし、気温が低い日に”広め”を選択しても良い。

その逆もあるだろう。

 

あるいは、ウォームアップで出てくる第2ポジションと、プリエ以降の第2ポジションを分けて使うのも、1つの選択だ。

 

 

1つ提言をするのであれば、コロナ禍において、この秋冬は換気が必須となり、スタジオ内の気温が思うように上がらないケースも考えられる。

そうした場合は、ケガ予防のためにも、広めの第2ポジションも有効に活用してはどうか、という事である。

メリット・デメリットを知っていれば、こうした事にも対応する事が可能である。

 

 

 

結論:プリエのアンシェヌマンでの注意点

バーレッスン プリエのアンシェヌマンでは、それぞれを取り入れるに当たり、注意点がある為、まとめておく。

 

▶︎狭めの第2ポジション

 

・プリエのアンシェヌマンは、第1ポジションからスタートする。
→第2ポジションから始めると、効果は極めて薄くなるので注意。

 

・第1ポジションから第2ポジションへの移行は、バーの外側の足のみを動かす。

 

ポジションチェンジについては、こちらに記載してあるので、ご覧いただきたい。

バーレッスン|ポジションチェンジの方法

 

▶︎広めの第2ポジション

 

・プリエのアンシェヌマンでは、第2ポジションからのスタートもある。
→先に、開き易い方を行いアンディオールを促進するという考え方。

 

・第1ポジションから第2ポジションへの移行は、必要であれば、バー外側の足だけでなく、内側の足も動かして調整する。
ただし、2歩で行う事。それ以上の踏み替えや、お尻を振るなどの余計な動作を入れない事。

 

 

様々な情報が飛び交っているが、情報に触れた途端、思考停止になっていないだろうか。

それは、なぜ? という疑問を持とう。

 

バレエとしての”正しい”を満たしているのであれば、あとは、活用次第である。

頭を柔らかく、状況や目的によって使い分けよう。

 

 

 

注1:[脚の筋が積極的に活動し易い=深いプリエ] という意味ではない。

注2:支持基底面については、「大人のバレエ なぜ上達しない」に記載。
大人バレエなぜ上達しない電子書籍『大人のバレエ なぜ上達しない』

 

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