日頃のエクササイズやストレッチ。
バレエのためのメンテナンスとしてだけでなく、実際のバレエ動作でどのように役立つのか、どんな悩みに対応可能なのかを知ることは、モチベーションアップや実用性を加えることになります。
ここでは、出来るだけ専門用語を省き、わかりやすい言葉でお伝えしたいと思います。
フトモモについて
使用する教材
大人のバレエ 踊りやすくするためにカラダを整える[バレエ参考書]
今回は、11ページから13ページのさらに詳しい解説をします。
前腿に関して、普段から気をつけたいことや知識に関しては、11ページの解説をお読みください。(ここでは省略させていただきます)
特に、フトモモの太さや使いすぎを気にされている場合、レッスンよりも、普段から履いている靴や姿勢の方が大きく影響を及ぼしています。
毎日、2時間のレッスンをしていたとしても、1日24時間のうち、たったの2時間です。
難しいことではありませんので、テキストをお読みいただき、できることからはじめてみましょう。
ここでは、クアドのストレッチを通じて「ストレッチの効能」以外のメリットについて述べていきます。
直接、バレエに繋がることですので、ぜひ、お読みください。
①骨盤と脚の切り離し
骨盤と脚は繋がっていますが、特にバレエでは、”骨盤「と」脚” というように、独立していることが求められます。
イメージは「リカちゃん人形」、脚が独立して動かせること。
レッスンでは「脚の付け根を折る」とか「脚を切り離す」という言葉で表現されます。
骨盤と脚が切り離せていないことで発生する「悩み」を上げてみましょう。
例1
▶︎脚を動かすと、骨盤も一緒に動いてしまう。
↓
▶︎骨盤が不要に動いてしまう。
↓
▶︎体幹がブレる。
↓
▶︎動きが不安定で、グラついてしまう。
例2
▶︎脚を動かすと、おしりも一緒に動いてしまう。
↓
▶︎特に「アラセゴン」や「パッセ」などで、おしりが持ち上がり割れた状態になってしまう。
↓
▶︎おしりをなおそうと、動作脚の付け根を「折って」見ると、支持脚に寄りかかってしまう。
例3
▶︎純粋な骨盤の可動が減少してしまう。
↓
▶︎股関節が可動しなくなる。
↓
▶︎腰を折ったり、背中を丸める、あばらを突き出すことで代償してしまう。
↓
▶︎上体や骨盤を動かすと、支持脚を引いてしまい、アンディオールが失われる。
他にもたくさんありますが、代表的なこの3つは、比較的わかりやすい例です。
知っておくべき「脚の窪み」
12ページ うつ伏せのストレッチ写真をみてみましょう。
スタートポジションを含め、3枚の写真+側面からの写真があると思います。
骨盤と脚の切り離しを狙うとき、注目したいのは左にある「外側」に動かすストレッチです。
動作側コシボネから、おおよそ手指3〜4本分下の位置は、脚を横に出すと窪みが生まれる場所です。
先に動かして、位置を確認しておきましょう。
この記事では、簡易的に呼ぶために「脚の窪み」と呼ぶことにします。
骨盤と脚の切り離しが出来ていないと、脚の窪みが出来ないまま動いてしまい「お尻ごと動かしてしまっている」ということになります。
パッセだったら “おしりが持ち上がってしまっている”、アラセゴン出すと “おしりが割れてまとまっていない状態” です。
これは、動作側だけでなく、支持側でも該当します。
グランバットマンのように、脚を高く上げるとき、骨盤は必要なだけ傾きます。
骨盤と脚の切り離しが出来ていないと、骨盤が適切に傾くことが出来ませんので、高さを出せません。
また、支持脚の膝が曲がりやすくなり、お腹が緩んでしまうなどの悩みが発生します。
アンディオールが失われた状態です。
一緒にやろう!
このページのストレッチをするときに、脚の窪みを意識的に作ることは、骨盤と脚の独立に大いに役立ちます。
脚の窪みを作ることで外側へと動かせるようになると、「上手な人はここが違う!」と言わしめるおしりの活動もはじまります。
膝を外側へと動かすときに、「脚の窪みを作ることで外側へと動かす」ようにしましょう。
自分で触って「窪み」があるかを確認してみても○
このストレッチを角度をつけて行うことは、一石二鳥ではなく、三鳥にも、四鳥にもなります。
ただの前腿のストレッチだけでは終わりません!
13ページの立位でも、同じようにトライしてみましょう。
「ストレッチ+脚の窪み」が出来たら、そのまま、ルティレやアラセゴンの形を作ってみましょう。
窪みをつくったままです。
いかがでしたか?
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大人のバレエ 踊りやすくするためにカラダを整える[バレエ参考書]