聞き流すことを恐れない:深入りしないという思いやり

エッセイ

おニャーさんが思ったこと、感じたことを綴るエッセイ。

今日は、若かりしころの経験からお話しします。

2022年7月受付中

だいぶ昔の話になります。

バレエ以外のお仕事で、メイクを専門の方にしていただいたときの事。

私より少しだけ年上で大変優秀な方、それでいて気さく。

メイクを担当していただいた「その日1日」で、彼女から多くのことを学びました。

彼女、その世界では「大御所」と言われる先生のお弟子さんにあたる人でした。

弟子と言っても、当時すでに師匠の店を何店舗も任されていたようですし、「歳が近いのに大人なんだな」と感じたのを覚えています。

なんの話だったか、彼女はこんなことを言っていました。

女性は、話すことでストレス発散をする。

休憩時間、井戸端会議的に話していることのほとんどは、ストレス発散であって、特別意味はない。

人の悪口のように聞こえたり、文句を言っているように聞こえても、深い意味ではないことが圧倒的に多い。

その上で、彼女は言いました。

スタッフの悩み相談で多いのは「人間関係」その多くは、この「井戸端会議現象」を理解していないことにある、と。

彼女の分析では、“井戸端会議とは、たまたま手元にあった共通の話題を話しているだけ“ らしいです。

「深く掘ったり共感するのは、一見、良いことのように見えて、相手の負担になっている場合だってある」

実は、この言葉を聞いた時、一瞬「ドキッ」としたんです。

私自身この頃、他人の話に深入りしてしまうところがありました。

でもそれって、今思えば自己満足だったのだと思います。

そもそも井戸端会議では「相手の意見」を求めているのではないですからね。

とりあえず話したいとか、聞いてほしいとか、ストレス発散したいとか。

あるいは、場の繋ぎってだけの場合もあります。

私は、彼女が正しいとか、正しくないとか。

そんなことを言いたいわけではないんです。

解釈は人それぞれありますし、それでいいと思っています。

ただ、私はこれも1つの「思いやり」なんじゃないかと思うのです。

深入りしない、聞き流すという思いやりです。

「人の話をしっかり聞きなさい」と言われて育った私たちにとって「聞き流す」ことに罪悪感を感じる方もいるかもしれません。

もちろん、真剣に話を聞くべき、深く考えるべきシーンもあります。

ただ、聞き流すことが最良の場合もあります。

その場合、聞き流すことを恐れる必要はないのです。

あなたの参考になれば、幸いです。

お読みいただきありがとうございました♪

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