気づいていますか?プリエで起きているカマアシ

 

ほぼ全員が持っている
何かから逃げていると
現れる”症状”。

 

序論:生徒も、指導者も

”カマアシ” と言うと、動作足を思い浮かべる事が多いように思う。

タンジュでのカマアシ、ルティレでのカマアシ、アラベスクのカマアシ…

 

それはそうなのだが、一方でプリエのように、足裏が床に固定された状態で起こる、カマアシへの認識は薄いように感じる。

見分け方が難しい事は、要因の1つに挙げられるだろう。

 

この問題は、大人でバレエを習っている・踊っている(職業ダンサー含む)人だけでなく、指導者にも、認識して欲しい事である。

 

本稿では、プリエにおいてのカマアシについて述べる。

 

 

 

 

本論:気づいていますか?プリエで起きているカマアシ

本論1:正しいプリエの定義

 

そもそも、”正しいプリエ”とは、どのような状態を指しているのか。

 

大凡、”脚の付け根から回して、アンディオールして” とか、”つま先と膝が同じ方向に向くように、膝を折りたたむ” とか、”引き上げながら膝を曲げる ”などの返答が返ってくるのではないだろうか。

 

 

これらは、確かに必要な”要素”ではあるが、イコール正しいプリエ、と言う事は出来ない。

なぜならば、”正しいプリエ”をする為の1つの手段として存在するに過ぎないからである。

 

”正しいプリエ=その為の要素”という解釈では、最終的にどうあって欲しいのかが、完全に欠如している。

これでは、何を目指したら良いのかの全体像が全く見えてこない。

 

 

 

正しいプリエとは、後に続く動作を可能にする。

プリエの後には、例えば、ジャンプやルルヴェ、ピルエットなどが続く。

 

それらを可能とするパワーを、プリエによって生み出し、動作へと変換する。

これが、正しいプリエである。

 

 

アンディオールがどう、引き上げがどう。

そうして事は全て、次の動作へと続く、エネルギーを生産する為の要素である。

 

 

 

例え話をしよう。

 

小麦粉と砂糖とバターがある。

これらには、”アンディオールや引き上げ、膝とつま先が…”にあてはまる。

 

小麦粉と砂糖とバターで”クッキーを作る”

“クッキーを作る” に 、”正しいプリエの概念” が当てはまる。

 

先に ”クッキー” を作るという目的がはっきりしているから、小麦粉・砂糖・バターをどうするのかが分かる。

それと同じだ。

 

 

 

もう1つ、忘れてはならない事がある。

 

プリエというのは、アラベスクやアティテュードなどのように、動きそのものを魅せるものではない。

それは、プリエの後に続く動作となる。

 

つまり、プリエそのものを魅せるものではない。

この事を決して忘れてはならない。

 

忘れるならば、プリエの本質を見失ってしまう。

 

 

 

 

本論2:力のベクトル

 

”プリエ”の動きを”解剖”してみよう。

そうは言っても、難しく考えなくて良い。

 

これから述べる事は、デミプリエでも同様ではあるが、最初はグランプリエを想定した方が分かり易いだろう。

自分で確認する時は、グランプリエの最も深い到達点を、注意深く観察すると良いだろう。

 

 

プリエが始まり、徐々に深くなっていく。

この時、力のベクトルがうまくいっていないと、かかとは後ろに逃げてしまう。

 

 

●ベクトルの基礎知識については、こちらの記事をお読みいただきたい●

力の”方向”が現れる形を左右する|大人のバレエ活用法

 

 

余程意識してやらないと、無意識にかかとは逃げる。

体の重さは、前に落ちやすいからである。

 

この時に発生しているのが”カマアシ”だ。

 

 

プリエで膝が横に開き、膝とつま先が同一方向になる為に、フトモモはわずかに後方に移動する。

同時に、かかとには、前方への力が働くべきである。

 

この力の働きがパワーとなり、後に続く、動きの原動力となる。

カマアシ状態のプリエをしていては、力が逃げてしまい。プリエをする事でパワーを発生させる事が出来ない。

 

 

従って、

 

▶︎プリエから次の動作に移る際に途切れてしまう

▶︎動きが重くなってしまう

▶︎力づくで動かざるを得ない、力で動いているように見える

 

という事が起きる。

 

 

バレエを習っていると ”力” というワードを嫌う傾向があるが、嫌いな人ほど、力で踊っているように見えるものである。

重く、体重と重力を感じさせ、まるで、自分という重い荷物を力づくで持っているかのように動く。

 

”力”という言葉を嫌う傾向は、バレエの世界からは、一刻も早く、排除されるべきである。

そうしないと、誤った捉え方が広がる事に、歯止めが効かない。

 

 

プリエでしっかりと力を生み出す事が出来るからこそ、次の動作が軽やかに、無理なく、自然に動いているように魅せる事ができる。

その為には、カマアシのプリエは厳禁である。

 

 

 

結論:必ず、守るべきこと

 

プリエで膝を開く際、かかとのテンションを前方に促す事を忘れてはならない。

大人が実際に行う場合は、かかとを前方に押し出すよりも、内踝(くるぶし)を前に押し出す認識が良いだろう。

 

 

プリエでのカマアシは、第1・第2ポジションで、既に発生している。

特に、「無理せずにやろうとして、結果として必要分、開いていない」場合や、つま先と膝の向きを同一にしようと、つま先の向きを膝に合わせているケースの場合、ほとんどはカマアシになっている。

 

 

もちろん、本稿で述べた事は全て、筋の活動によって行われるべきだ。

重さをかける事で、足首を捻り、かかとを前に押し出したとしても、それは、間違っている。

さらに、危険この上ない行為である事をお伝えしておく。

 

従って、「筋によって行う」これは、絶対に守らなくてはならない。

 

 

バーを持ち、プリエをしてみよう。
目の前に壁があると想定して。
内踝を当ててみよう。

 

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