ズームインしすぎると全体が見えなくなるために、ピントハズレなことをしてしまいがちです。
プリエにこだわるあまり、プリエの存在意義がなくなってしまう。
私たちに必要なのは、ズームインではなく【ズームアウト】。
思い出そう プリエの役割
バレエ動作は、大きく2つにわけることができます。
- ポーズや動きそのものを見せるもの
- 動きを生み出すためのもの
①が “そのもの” を見せるためにあるのに対し、②は前後の動きを見せるためにあります。
①には、アラベスクやピルエットなどが分類され、②の代表的な動きが【プリエ】になります。
つまり、プリエは “プリエそのもの” を見せるためにあるのではなく、プリエ前後の動きを成立させるために行う動作と言えます。
例題
プリエは通常、このような使われ方をします。
- プリエ
- メイン動作
- プリエ
シンプルなピルエットに当てはめてみましょう。
- プリエ…第5ポジション デミプリエ
- メイン動作…ピルエット アンディオール
- プリエ…第5ポジション デミプリエ
①のプリエは、ピルエットという動作をするためのエネルギーを発揮し、動きに弾みをつけます。
一方、メイン動作後③のプリエでは、衝撃や重さを分散させつつ、動きをまとめます。
プリエの意識をアップデート
しっかりと役割を果たせるプリエをしましょう。
プリエですることは、脚を回すことだけではありません。
抜けてるプリエとは?
大人がやりがちなプリエ。
これだと力が抜けてしまい、動きを生み出せず、衝撃を分散することもできません。
- プリエをすると
- 足底が緩み
- 足首が外へと逃げる
- 同時に、脚の付け根も外へ逃げてしまい
- 膝は、”外側+下向き” に逃げていく。
まるで、パンクしたタイヤです。
プリエは、決してリラックスするものではありません。
この後に、ジャンプや回転が続くことを思い出しましょう。
こうしましょう
プリエの情報を、適切なものにアップデートしましょう。
- 脚の付け根は、常に寄せ続け
- 足首、カカト、脛も、常に寄せ続ける
- 膝だけが外側へと広がっていく。
つまり、①脚の付け根や②足首周辺は、できれば、左右両方がくっついていたい。
けれども、膝が外へと広がっていくので【仕方なく】離れてしまうだけです。
従って、脚の付け根や足首周辺が離れてもくっついていようとする力は、常に発揮され続けているのです。
重さをかけないことが、いかに重要か
第1ポジションからプリエなしで跳んでみましょう。無意識に膝が曲がったら、普段のプリエは体を前に倒す事で【膝が緩んでいる】可能性大。これは、プリエとは言えません。プリエなしで跳ぼうとすると、上半身をかなり引っ張り上げるようになります。普段のジャンプもこの位、上半身を上げましょう🍎
— 大人のバレエ上達 JBPおニャーさん (@junkotomono) December 2, 2021
正しいプリエをすると、特におしりの筋肉が活発に活動します。
これにより膝や足部にかかる重さを分散し、負担軽減に大きな役割を果たします。
10年、20年。
正しいプリエによって、”これまで抱えてきた痛みがなくなった” というケースは少なくありません。
それほど、重さを食い止められず、垂れ流し状態の悪影響が大きいのです。
上体が前に倒れるとおしりの筋肉の活動が阻害されてしまいます。
重さを食い止められる環境整備も大切です。
まとめ
プリエがプリエだけで終わらないように、練習の道筋を正しく設定しましょう。
また、レッスンでの安全確保のためにも、正しいプリエを心がけましょう。
- プリエは、前後の動きを生み出すために行います。
- “パンクしたタイヤ” にならないよう、エネルギーのあるプリエをしましょう。
- 外側へと離れていくのは、膝だけです。
- 重さが流れてしまうのを、おしりで止めましょう。
- 受動的に膝を曲げるのではなく、能動的なプリエをしましょう。
ファーストステップ♪
次のレッスンでするプリエの作戦を整理しておこう!
【Thank you】
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あなたが基準に沿ってレッスンすることは、バレエを愛する全ての大人に向けて、本当のバレエを、安全で適切な基準と方法を提供することにつながります!