”身につける力”プロジェクト③|大人のバレエ

“あなた” と “おニャーさん” が、お茶会をする「エッセイ」。

ご近所会議でもするかのように、座談会にお付き合いください。

好きなお茶のイメージはできましたか?

お気軽に読んでみてください。

 

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今日は、紅茶をのんでいます。

少しの時間、おつきあいください。

 

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「身につける力」について、3回に渡っておしゃべりしています。

前回の記事は、こちらです。

”身につける力”プロジェクト②|大人のバレエ

 

さて、5工程の手順をお話ししました。

その中でも、大人の方が特に意識したいのは「2工程」です。

もちろん、個人差がありますから「全員が」というわけには行きませんが、それでも、優先度が高いことに変わりありません。

 

それが、“①知る”“④馴染ませる” です。

 

 

実際問題、知らなきゃ何もはじまりません。

とはいえ、「知る」というのは「知ることのできる環境」に身を置くことさえできれば、話を聞くことで知ることができます。

 

インターネットがどんなに発達しても、リアルに意見を耳にすることが大事なのは、こうした理由があります。

 

インターネットでの情報収集では、どれが適切なのか自分で判断せねばなりません。

情報が正しいのかそうでないのかだけでなく、自分の状況を加味し、今のあなたに適切なのかをあなたが判断せねばなりません。

 

あなたが判断するのであれば「判断できるだけの知識と観察力」が必要であって、それができるのであれば、真の指導者になることができるでしょう。

そう、「判断する」とは、想像を絶するほど難しいことです。

あり得る未来を見据えて、逆算せねばなりませんから。

 

ここが、インターネットの難しいところです。

JBPバレエワークショップでは、レギュラーレッスンではない「座学」をします。

それは、JBPにきてさえくれれば「知る」ことはクリアできるようにするためです。

 

知識を否定してしまうと、ショッパナからつまづいてしまいます。

大人の場合は、子供のように「刷り込み」で、できるわけではありません。

そのためにも、情報入力や書き換えとしての「知る」を大事にしたいものです。

 

 

“②わかる・理解できる” “③できる” これは、さほど心配する必要はないでしょう。

 

大人の方は、受験勉強や社会人になる過程で、バレエとは異なることだけれども、似たような経験はしているモノです。

あとは、良い意味で “過去の経験をバレエに引っ張ってこれるか” というところでしょう。

すでに、体験はしているわけですから。

 

全く別物として考える必要はなく、成功体験は可能な限り「紐付ける」のです。

試しに、受験勉強で数学の問題が解けなかったとき、どのような過程でできるようにしていったのか、思い出してみて、バレエでも同じ過程を試してみるといいかもしれません。

 

 

さて、大人の方が意識したいこと2つ目が、工程④にあたる「馴染ませる」です。

ここで圧倒的に必要なのは、「質より量」です。

 

どの世界でもことさら「量より質」を言われる時代のようですが、知っている人は知っています。

「質より量」がモノをいい、量をやらないと質が上がらないということを。

 

忙しい大人が、レッスンの中だけで馴染ませるのは、至難の業です。

わたしもそうです。

レッスンだけで馴染ませられるほどの、時間も体力もありません。(笑)

 

だからこそ、普段の生活にいかに組み込んで、量をこなすかが大事になります。

・5秒だけやっておく。

・1回だけやっておく。

・1週間だけ気をつける。

 

週1回のレッスンで気をつけても、量はたかがしれています。

1週間5秒だけだとしても、1回、2回、3回、していたら、それなりの回数をこなすことができます。

1週間毎日(7日間)、1日2回気をつけたら、14回の行動を起こすことになります。

 

これに「シミュレーション」を足したら、もっと効果的です。

 

詳細は忘れてしまいましたが、海外の大学の研究で「厳密なシミュレーションをすると、実際に筋活動をしていた」というデータが出ています。

方法によっては、8割程度までいくのだそう。

 

 

ちょっと面白い話をしましょう。

 

JBPの先生方で会議をしているとき、「どうするために、どこの関節をどう動かすのか、そのためにどの筋のどの部分をどの方向にどのように働かせるのか」ということを話します。

内容が定まっていないときは、それぞれの先生の提案なり、意見を伺います。

 

すると、先生たちは頭の中でシミュレーションするわけです。

椅子に座ったまま、床に座ったまま、体を動かさずにシミュレーションする。

 

そして次の日、同じ先生と話すと、同じところに筋肉痛がきていることがわかります。

試行もせず、エクササイズもせず、ひたすら机の前で議論しているときでもそうなのです。

厳密なシミュレーションは、確かに、筋の活動が伴っています。

 

 

JBPのワークショップで、筋や関節の場所を知ってもらうことは、こうした狙いがあります。

難しい、レッスンで出てこない言葉は覚えなくてもいい。

 

その上で、どの動きで、どの筋のどの部分が、どの方向に働くことで、どんなバレエ動作が正確になるのか。

これを知ってもらうことで、厳密なシミュレーションをするだけの材料を揃えるってわけです。

抽象度の高い「お腹を引き上げて」「脚を回して」では、実際に厳密に動いたときと同じような効果をあげることはできません。

そして、ここでも「知る」の重要さが、再度登場します。

 

”大人だから可能な身につけ方” を試してみましょう!

 

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3回に渡って「身につける力」について、お話ししました。

いかがでしたか?

 

バレエだけでなく、さまざまなことに応用することでできることです。

あなたの生活に、彩りを与えるヒントにしてみてください。

 

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今日は、このあたりにしましょう!

お付き合いいただき、ありがとうございました。

 

おニャーさんより

 

著者おニャー

JBPタイトル