上体をつけるのはいいことだ。
いつも、突っ立っているだけでは味気がない。
棒のように動いているだけでは、人の心は動かない。
この記事でお伝えすることは、「●●がダメだから、棒のようにまっすぐにしてなさい!」ということではない。
とはいえ、バレエとして「美しいと合意されていること」を守らないと、なんちゃってバレエであって、それはやはり、見ていて “ちょっと変” なのも確かだ。
たった一つ。
たった一つから、バレエになる方法が紐解ける。
形式から様式へと発展することで、見る者をバレエの世界へといざなうことができる。
そろそろ、あなたもそのスタートラインに立とう!
そうすることで「基本とは何か」本当の意義も見えてくるだろうから。
知っている人は知っている ~上体の付け方~
賢者の選択
上体をつけるのはいいことだ。
単なる動作から “意味あること” へ変貌を遂げる。
のぞく、見上げる、見下ろす、横をむく、振り向く…
組み合わせたら、数え切れないほどの上体の付け方がある。
それらは、見る側に情景や心情をイメージさせるし、あなたが最も美しく見えるポーズや動きを演出することができる。
ここで1つ、お伝えしておきたい。
こうした「演出」を嫌うケースもある。
基本が全て、そう考えるタイプに多い。
冷静に考えてみよう。
”基本だけ”で、 “演出を加えた場合” と、同等かそれ以上の美しさや表現ができるなら、それでいいかも知れない。
そうではないのならば、いかに美しく見えるかを見つける必要がある。
「ありのままの、飾り気のない、基本に忠実な」否定も肯定もしない。
その上で、もう一度想像してみよう。
ここに、畑から取れたばかり、泥だらけの大根があるとする。
「ありのままの大根の姿で、新鮮だし、基本に忠実に作られていて、とても美味しいから」という理由で、「食べてみて」と置かれたら、あなたはどう思うだろうか?
調理をほとんどしなかったとしても「キレイに水で洗い、皮を向き、食べやすく切って出す」最低限このくらいは必要ではないだろうか。
演出というのは、畑から取れた素晴らしい大根を、泥がついたまま、煮たり焼いたり、なんだかよくわからないものに変えることではない。
ここを整理しておくと、抵抗がなくなるのかも知れない。
基本だけで動くと「泥がついたまま差し出された大根」のようになってしまう。
見る側への配慮としても、最低限の演出は心得ておこう!
腕に騙されるな!
上体をつけるとき、あなたはどのようにしているだろう。
[チェックしよう]
・両手アンバーから、右手をデミセゴンに開く。
・同時に、上体もつけてみよう。
[あなたはどちら?]
①横方向へと動く腕とリンクさせて、上体も横へと動かしてみた。
②上体は横に近いが “ほんの少し、斜め前方” へと動かしてみた。
バレエとして正しいのは「②」。
大人が上体をつけると、ほとんど①になるのは、大いに気になるところである。
①のような上体の付け方をすると、右脇腹が縮んだり、胸が横にズレたりする。
鏡を見てチェックしてみよう。
”さらにいい”身につけ方
上体をつけるときのルールを整理しよう。
[バレエのルールブック]
上体をつけるとき、両方の脇腹の長さを保ったままにする。
実は、ここまではまだ「基本」だ。
この先に演出がある。
ポールドブラなどで確認してもいいが、「クロワゼとエファッセ」での上体の付け方を身につけると、さらにいい。
最も美しく見える瞬間のパターンを構築でき、応用しやすいからだ。
つまり、ここからが「演出」を試す第一歩なのだ。
脇腹の長さを保持したまま、エポールマンで上体をつけてみよう!
きっと、あなたがより美しく見える。
●上体の動きで演出を試みる 〜素人っぽさを減らし、バレエらしく〜
▶︎https://juncotomono.info/program/20210714-16-format-style/
今日は、鏡の前で
エポールマンをチェック!