バランスとは、相反する2つの要素を共有することで成立します。
「ここ、忘れがち」と言いたいところですが、非常に勘違いが多いのが現実です。
この記事を読めば、バランスを取る時、バレエ教師が言いがちな「固めるな」の意義もわかります。
バランスとは、体の使い方のことではなく「物理的現象」を指します。
その「物理的現象」を現実にするための「体の使い方」なのです。
バレエレッスンで行われる“バランス”を取るシーン
[オン]バランスであろうと、[オフ]バランスであろうと、バランスはバランスです。
ちなみに、バランスという言葉を辞書で調べてみるとこのように記されています。
釣合が取れること。均衡。
新明解国語辞典 三省堂
▶︎両足で1番に立ち、プレパラシオンを取るときも
▶︎片足でタンジュをするときも
あなたがご存知の通り、バランス自体は存在します。
その上で、もう少しテクニカルな意味合いを持たせたり、いわゆる「バランスと聞いて思い浮かべやすいもの」を上げると、この辺りになるでしょう。
- 片足アテールでのバランス
ルティレやアティテュード、アラベスクなど - 片足ルルヴェでのバランス
ルティレやアティテュード、アラベスクなど - プロムナード
- ピルエット など
どれもグラグラしそうなものばかり。
バーレッスンで出題される「バランスチェック」のようなものもあれば、センターでのピケアラベスク(バランス!)のように、
▶︎比較的短い時間だけど、形を変形させずにビシッと止まる
という意味合いでのバランスもあります。
見落とされがちなバランスの土台
「バランスが取れない、だからグラグラせずに取れるようにしたい」そう思って体幹部に目を向けるのは良いことです。
どのみちバレエでは、とてつもなく強い体幹を求められます。
例えば、とても長いバランスを取れたとしても、落ちた体をクニャクニャと変形しているのであれば、バレエのバランスとは言えません。
“どれだけ長いバランスを取れるか競争” で優勝できたとしても、です。
体の形をキープし、美しいフォームを長く見せるのがバレエの基本だからです。
ところで、あのワガノワ先生は、バランスの源は脊柱にあるとおっしゃっています。
では、バランスの【土台】はどこでしょう?
それは、足裏と足指です。
バランスの正体と土台との関係
ここで、そもそもバランスとは何ぞや?という話をしましょう。
バランスを取るとは、常にベターな位置で「止まっている」のではありません。
均衡が取れた状態を作れたら、体全体にセメントやらボンドやらを流し込んで“硬直”させているわけではないのです。
つまりこういうことです。
▶︎バランスとは、バランスが取れている位置と崩れるものを元に戻そうとする力によって、重さの釣り合いを取っている。
体はわずかに揺れながら、重さの釣り合いを取ろうとします。
オンバランスとオフバランスの間を行ったり来たりするのです。
そして「崩れるものを元に戻そうとする力」を発揮するのが、先ほどの足裏と足指なのです。
つまり、足裏や足指の活動レベルが低いと、いとも簡単にバランスは崩れてしまいます。
バランスの土台でもあり、バランス最後の砦と言っても過言ではない、足裏と足指。
この活動レベルを上げることは、バランスを取る上で必須項目なのです。
重さを落とすことで、バランスを取ることはできるけど、それはバレエのバランスではないよ。ボディラインが美しく出ないんだ。
大人の場合、バーレッスンでのバランスチェックはこれになりやすいから気をつけよう!
足裏と足指の活動レベルを上げるための3つのクエスチョン
■日常履いている靴、バレエシューズなどのサイズは合っていますか?
キツすぎる靴は足指の動きの妨げになります。
また、大きすぎる靴も足指を丸めたまま固めてしまう原因に。
適切なサイズがわからない場合は、直接店頭にいき、お店の方に見ていただくことをオススメします。
■メンテナンスはしていますか?
適切な立ち方をしているならば、体重を直接受け止めるパーツです。
それだけ負担がかかっている、ということ。
そのままにしておくとガチガチボンド状態で動かなくなったり、感覚が鈍くなります。
足裏や足指が活動しやすい環境を整えましょう。
↓こちらの記事に具体的な方法がイラスト付きで掲載されています。
参考
足 “足指・足裏・甲“ 大人のためのバレエフット改造動画を見ながら、音楽を聴きながらでもできるよ!
■刺激を入れていますか?
足裏の感覚がない・薄い、足指が自分では全く動かない。
大人の方からは、よく耳にします。
感覚がなかったり、薄くなってしまった場合は、強めの刺激が必要です。
青竹ふみや棒状のものを足裏で転がしてみましょう。
疲労軽減にもなりますし、ウォームアップにもなります。
まとめ
グラグラしてしまうバランスについて。
今日は、いろんなことを知れた思います。
JBPでは12月WSで、片足ルルヴェにしっかり立つ方法についてお伝えしていきます。
両脚立脚の正しい片足ルルヴェの方法は、足裏と足指は動きを生み出すために必要な強さやコントロールが身につきます。
関連
『片足でキレイに立つには』“頸椎と両脚立脚を上手く使う”ここまでをまとめましょう。
- バランスの源である脊柱に対し、足裏や足指はバランスの土台であり、最後の砦です。
- わずかに崩れかかったバランスを元に戻そうとすることでバランスを取っています。
- 足裏や足指は、崩れかかったバランスを元に戻そうとする際に、強く活動します。
- 足裏や足指の活動レベルが低いと、バランスを取ることができません。活動レベルを上げましょう。
ファーストステップ♪
足裏と足指のメンテナンスをしよう!