通常、バレエレッスンやバレエ作品に登場するアラベスクで「番号」がついているものは4つ。
あなたは、全て覚えていますか?
これ、覚えるまではちょっと大変でも、覚えてしまうととても便利です。
今日お話しするのは、“ただアラベスク” ではなく、番号つきのアラベスクについて。
つまり、番号がついている分、かなーり使用頻度が高いってこと。
さあ、一緒にアラベスクについて知りましょう!
番号つきと番号なしのアラベスク
膝を伸ばし、デリエールに脚が上げられたアラベスク。
番号つきと、番号がなしがあります。
▶︎第1〜第4アラベスク
スタイルによって番号と形は変わりますが、現在、用いられるのは次のパターンです。
- 第1:エファッセの状態で支持脚側の腕が前
- 第2:エファッセの状態で上げている脚側の腕が前
- 第3:クロワゼで上げている脚側の腕が前
- 第4:クロワゼで支持脚側の腕が前
細かい指示や特質はありますが、超ざっくりと分類するとこんな感じになります。
一方で、番号がついていないアラベスクにどんなものがあるかというと…
- 両手アンオー
- 片手アンオーからのアロンジェ
- アンオーとアンナヴァンをアロンジェ
先に上げた番号を採用している場合、これらは番号ではない形で言い表されます。
スタイルによって番号や形の違いはあるけれど、今ではほとんど紹介した番号が採用されているんだ。
まず、ここに取り上げた第1〜第4アラベスクの番号と形を覚えよう。
最も使用頻度の高い[第1アラベスク]
第1〜第4アラベスクの違いを決定するのは【上体と方向】です。
特に、腕には大きな違いがあります。
ここでは、第1アラベスクの上体を整理してみます。
意外と勘違いしている方が多いのですが、きちんと決まり通りにすれば、グッとバレエらしいポーズになります。
センター、真横に第1アラベスクをしているとしましょう。
- 例えば「3」の方向に向かって
- 右足を支持足、左脚を後ろに上げる。
- 右手が前、左手は横に差し出す。
このとき、横に差し出した左腕(左手)を通常のアラセゴンにすると、指先が正面を指差してしまいます。
これは、第1アラベスクとして正しくありません。
アラベスクの広がった胸が見えないですし、形としてのバランスが悪い。
正しいアラベスクは、この横に差し出した腕をやや後ろに引きます。
そうすると、真横にアラベスクをしても、胸が隠れることなく正面から見ることができるのです。
先生には「アラセゴン」になおされるのだけど?
第1アラベスクの横に出した腕は、やや後ろに引く。
これを実際にやったときに、先生にアラセゴンの位置になおされる場合があるでしょう。
それには理由があります。
▶︎腕だけを単独で後ろに引こうとしてしまった結果、肩がねじれ、前に被ってしまう
これはNGです。
▶︎胸椎の回旋や肩甲骨の内転を伴いながら腕をやや後ろに引く
これが正解。
特に、胸椎の回旋が入らず、腕だけを後ろにしようとしてしまうと、腕が外れてしまいます。
この動作に必要なのは…
- 胸椎の回旋、可動域
- 肩甲骨の内転、それに関わる筋収縮
- 胸を広げられるだけの可動
これらが1つでも欠けると、正しい第1アラベスクを作ることはできません。
その場合、
▶︎腕の位置は本当は違うけれど、肩はとりあえずねじれていない
▶︎肩はねじれてしまうけど、腕自体の位置はやや後ろになっている
先生は苦渋の選択をせざるを得ません。
ここが大人を指導する難しいところです。
この場合、ほとんどの先生は前者を選択することでしょう。
ただ、本当はこの位置ではありません。
正しくは、アラセゴンよりやや後ろです。
アラセゴンではありません。
ここを、誤解してはならないのです。
苦渋の決断だということを忘れてはならないよ!
あなたに持ってほしい第1アラベスクへの意識
胸椎の回旋や肩甲骨の内転をセルフで行うのは難しいので、ここでは【バレエ脳】を育てましょう。
セルフでもできる第1アラベスク、腕のイメージ。
横に差し出す腕は、次のように捉えましょう。
▶︎腕だけを後ろに引こうとするのではなく
▶︎胸骨(体の正中線でもOK)から半身をやや後ろに引く。
真横にアラベスクしたときに、横に差し出した指先が正面を指さしてはいけません。
半身引くことができれば、肩を捻らずに、やや後ろに引くことができます。
やりにくい場合は、胸を広げるストレッチをやろう!
姿勢も良くなるよ。
まとめ
正しい第1アラベスクの腕の位置は分かりましたか?
意外と、通常のアラセゴンだと思っているケースが多いですので、正しい情報を更新しましょう!
また、先生による指導理由を正しく知り、目指す方向を見失わないようにしましょう。
JBPでは、アラベスクの状態に必要な正しい胸椎の回旋・腕の位置を1月WSで取り上げます。
セルフではできない内容、分解して少しずつ進めますので、一緒にやってみましょう。
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『回旋を出す』“胸椎の可動 アラベスクへの発展”ここまでをまとめましょう。
- 第1アラベスクでの横に差し出した腕は、アラセゴンより、やや後ろに引きます。
- 正しいアラベスクを実現するには、胸椎の回旋・肩甲骨内転・胸を外に広げられる柔軟性が必要です。
- 半身から開くようにしましょう。
- 先生の指示にある真実を知りましょう。
あなたにクエスチョン♪
第1アラベスクの横に差し出す腕は、アラセゴンより、やや●●に引く。