股関節にスペースを作る。
それは、ほんのわずかな空間です。
それでも、ことバレエにおいては大きな違いを生み出すのです。
ざっくりでいいので股関節について知りましょう。
まずは、相手を知るってところです。
股関節とは
・骨盤
・脚
この2つが「接続・連結」しているところ
電車の車両と車両が連結されているところがあるかと思いますが、電車を骨盤と脚、連結されている部分を股関節と考えるとわかりやすくなります。
つまり、股関節のスペースを作るとは。
- 電車と電車自体が近づきすぎて、連結部分が潰れている状態から
- 電車と電車の間の距離をとり、連結部分の隙間を作ること
電車どうしが隙間なくくっついている状態だったら、カーブを曲がるとき「進行方向の向きを変えられるだけの遊びがない」ために、横転してしまうことでしょう。
つまり、カーブを曲がるだけの動きを出せないということになります。
これは、体も同じなのです。
隙間がなければ、電車のように動きを出すことができません。
スペースがあるからこそ、可動が広がり、さまざまな方向へ大きく脚を動かすことができるのです。
さらに、前者は車両どうしが接触してしまって、そのままにしておくと、擦れてしまいます。
股関節もスペースなく動かしていると、摩耗してしまい、故障や痛みの原因になってしまうのです。
重要な発想
股関節が骨盤と脚で構成されている以上、直接的なオペレーションは、これらのどちらか又はその両方となります。
ここで、2つの区分けが必要になります。
- 足底が床に固定されていない場合
- 足底が床に固定されている(着いている)場合
前者は主に動作脚(足)を指します。
タンジュをしている足、グランバットマンに振り上げた足、ルティレにした足は、床には固定していません。
後者は主に支持脚(足)を指します。
OKC、CKCのことを言っているんだよ。
動作脚の場合(前者)
この場合は、骨盤を止めて脚を動かす意識が必要になります。
ルティレなどは必要に応じて骨盤が傾きますが、ここで言う「骨盤を止める」というとは、傾くのがダメということではなく、動作脚の方に骨盤が動いてしまうことはNGという意味です。
不要な動きを止めるということ。
必要な動きはしよう。
つまり、骨盤を水平に保とうとしすぎたり、ルティレの付け根を折ろうとして、本来の傾きとは逆方向に傾くのは、完全なる間違いです。
股関節を詰めてしまいます。
- 骨盤を止める(あるいは、適切な方に適切な量傾く)
- 脚を骨盤から離す
動作脚の場合は、この方法が王道になります。
脚を離すとき、どこを離したらいいのか。
それは、膝だったり、踵やつま先だったり、あなたの段階や動きによっても変わります。
とはいえ、共通しているのは、骨盤から太腿を遠ざけることが大事なんだということです。
支持脚の場合(後者)
誤った発想がとても多いですので、しっかり確認しましょう。
この場合、足底が床に固定されていますので、脚や足を遠ざけることは物理的にできません。
よく「床を押すことで、スペースを作る」という発想の人がいますが、これは感覚の問題であって、実際に起きている現象ではありません。
床を掘ることはできないよ‼︎
- 足底(床)から、骨盤を遠ざける
- つまり、天井方向に骨盤を押し上げる
こうすることで、股関節にスペースを作ります。
適切に筋肉を活動させて、骨盤を天井方向に近づけると「床を圧す」感覚が生まれます。
が、これは骨盤を上げることで発生した感覚であり、床を圧すことで生まれるわけではないのです。
股関節のスペースを作る重要性を理解しましょう。
また、動作足と支持足での違いを認識し、レッスンで取り入れてみましょう。
純粋な股関節可動に必須
股関節を動きやすく、上体を浮かせる
股関節へのアプローチ、動作側・支持側それぞれ整理しよう♪