日頃のエクササイズやストレッチ。
バレエのためのメンテナンスとしてだけでなく、実際のバレエ動作でどのように役立つのか、どんな悩みに対応可能なのかを知ることは、モチベーションアップや実用性を加えることになります。
ここでは、出来るだけ専門用語を省き、わかりやすい言葉でお伝えしたいと思います。
寄りかかり
使用する教材
大人のバレエ 踊りやすくするためにカラダを整える[バレエ参考書]
前回の記事…→こちら
今回は、16ページから19ページのさらに詳しい解説をします。
✳︎
前回は、「寄りかかり」についてお話ししました。
寄りかかっているということは、引き上げが出来ていない、出来ない環境ということです。
今回の内容は、引き上げについてフォーカスはしませんが「引き上げの阻害因子の除去」としては大きい要素です。
肩や腕は、大人の場合、引き上げにはとても大きく関わります。
一方で、子供はもっと違うところにフォーカスせねばなりません。
バレエメソッド自体の対象は「子供」。
だからこそ、肩や腕が引き上げに、大きな関与をしていることについての言及は少ないのです。
1つ1つの案件は、個別に対応することが求められますが、こうして繋がっています。
なかなかレッスンで見てもらえないのが(あるいは、正反対の誘導をされてしまうことも!)歯がゆいですが、一緒に変えていきましょう。
健康を守るためにも大事なことですからね!
さて、今回から2回に渡って「胴体と腕の切り離し」についてお話しします。
似たような言葉を知っているって??
そう、バレエメンテの学校1回目「骨盤と脚の切り離し」で「切り離し」という言葉が登場しました。
腕も同じように、胴体から切り離したい、独立させたいパーツです。
切り離しは、引き上げや体幹の安定をもたらします。
そして何より、バレエ形式を身につけるためでもあります。
④アンオーがしっくりしない
以前もお伝えしましたが、切り離しのイメージは「リカちゃん人形」です。
ちなみに、私は「リカちゃん人形派」ではなく「シルバニアファミリー派」でした。(笑)
それはさておき。
今回の切り離しは「胴体と腕」、つまり “胴体から独立して腕を動かせること” が求められています。
最もわかりやすいポジションが「アンオー」です。
上がってしまう “アンオー”
何も考えずにアンオーをしたら、肩は上がります。
というよりも、何も考えずに腕をあげたら、肩が上がります。
これは、あなたが悪いのではありません。
人間の構造上、そのまま腕を上げると、肩も上がるように出来ているのです。
ということで、バレエのアンオーをとるためには、普段の生活でしている「腕を上げる・手を上げる」ではなく、もう一工夫をせねばなりません。
その時に必要なのが、「胴体と腕の切り離し」です。
胴体と腕の切り離しが出来るようになると、バレエ形式に沿ったアンオーを作るための準備が整う、というわけです。
短くなってしまう腕
もう少し違う、アンオーの悩みを取り上げてみましょう。
▶︎アンオーを取ったら「肩を下げて!」と言われた。
↓
▶︎肩を下げた。
↓
▶︎腕が短くなってしまった、腕の形が楕円にならなくなってしまった。
初心者さんよりも、経験者さんにありがちな、お悩みです。
アンオーで肩は上がってはならないし、首も腕も長くしたい。
けれど、肩を下げると腕がうまくいかず、腕を優先させると肩が上がってしまう。
アンオーというポジションがどんな形か、大凡でも知っているからこそ「こうしなきゃ!」ということがたくさんあって、結果として、堂々巡りになってしまいます。
肩が上がる、肩は下がっているが腕が短い。
現れていることは違いますが、結局のところ「胴体と腕の切り離しが出来ていない」という原因は共通しています。
同じように、大人の肩こりの原因は様々ですが、原因は、やはり共通しています。
肩の筋が働いていない・弱いこと!
肩の筋が働いていない・弱いと、あの長く重い腕が、首の筋を引っ張ってしまいます。
寄りかかりと同じ現象が、ここでも起きているのです。
一緒にやろう!
19ページのエクササイズをやってみましょう。
悪い例の矢印が指しているところが、上がらないようにしましょう。
矢印のところを、折り紙を折るようにして、肘を上げていきます。
”ちょっと、窮屈な感じ” がするならば、エクササイズがうまくいっている可能性大。
矢印を折り曲げて肘を上げることが出来たら、肩・二の腕・肘を動かさずに、肘から先を動かしてアンオーを作ってみましょう。
この「肩の状態」を覚えるようにしましょう。
リカちゃん人形に、一歩、近づきます!
いかがでしたか?
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