おニャーさんが思ったこと、感じたことを綴るエッセイ。
今日は、若かりしころの経験からお話しします。
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だいぶ昔の話になります。
バレエ以外のお仕事で、メイクを専門の方にしていただいたときの事。
私より少しだけ年上で大変優秀な方、それでいて気さく。
メイクを担当していただいた「その日1日」で、彼女から多くのことを学びました。
彼女、その世界では「大御所」と言われる先生のお弟子さんにあたる人でした。
弟子と言っても、当時すでに師匠の店を何店舗も任されていたようですし、「歳が近いのに大人なんだな」と感じたのを覚えています。
なんの話だったか、彼女はこんなことを言っていました。
女性は、話すことでストレス発散をする。
休憩時間、井戸端会議的に話していることのほとんどは、ストレス発散であって、特別意味はない。
人の悪口のように聞こえたり、文句を言っているように聞こえても、深い意味ではないことが圧倒的に多い。
その上で、彼女は言いました。
スタッフの悩み相談で多いのは「人間関係」その多くは、この「井戸端会議現象」を理解していないことにある、と。
彼女の分析では、“井戸端会議とは、たまたま手元にあった共通の話題を話しているだけ“ らしいです。
「深く掘ったり共感するのは、一見、良いことのように見えて、相手の負担になっている場合だってある」
実は、この言葉を聞いた時、一瞬「ドキッ」としたんです。
私自身この頃、他人の話に深入りしてしまうところがありました。
でもそれって、今思えば自己満足だったのだと思います。
そもそも井戸端会議では「相手の意見」を求めているのではないですからね。
とりあえず話したいとか、聞いてほしいとか、ストレス発散したいとか。
あるいは、場の繋ぎってだけの場合もあります。
私は、彼女が正しいとか、正しくないとか。
そんなことを言いたいわけではないんです。
解釈は人それぞれありますし、それでいいと思っています。
ただ、私はこれも1つの「思いやり」なんじゃないかと思うのです。
深入りしない、聞き流すという思いやりです。
「人の話をしっかり聞きなさい」と言われて育った私たちにとって「聞き流す」ことに罪悪感を感じる方もいるかもしれません。
もちろん、真剣に話を聞くべき、深く考えるべきシーンもあります。
ただ、聞き流すことが最良の場合もあります。
その場合、聞き流すことを恐れる必要はないのです。
あなたの参考になれば、幸いです。
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