日頃のエクササイズやストレッチ。
バレエのためのメンテナンスとしてだけでなく、実際のバレエ動作でどのように役立つのか、どんな悩みに対応可能なのかを知ることは、モチベーションアップや実用性を加えることになります。
ここでは、出来るだけ専門用語を省き、わかりやすい言葉でお伝えしたいと思います。
脚の窪み
使用する教材
大人のバレエ 踊りやすくするためにカラダを整える[バレエ参考書]
前回の記事…→こちらからご覧ください。
今回も、11ページから13ページのさらに詳しい解説をします。
前回は、「骨盤と脚の切り離し」つまり「骨盤と脚の独立性」についてお話ししました。
脚の付け根を折るという言葉は、レッスンで使われやすい指導言語ではありますが、体が誤解しやすい表現です。
特に大人の場合、”付け根を折る=重さをかける” と誤認してしまうケースが多発しています。
動作が上手くいかないだけでなく、股関節を摩耗しやすい行為ですので「脚の窪み」を目安に、望ましい動きができるようにしましょう!
①第5・第4ポジションが取りにくい
第5ポジションは、レッスンでも作品でも最も使用頻度の高いポジションです。
第4ポジションは、ピルエットのプレパラシオンや大きなジャンプ前に代表されるように、テクニックのプレパラシオンとしての使用頻度の高いポジションです。
▶︎第5・第4ポジションが取れるようになりたい。
▶︎第5・第4ポジションは取れているけど、もっと開けるようになりたい。
▶︎第5・第4ポジションのクオリティを上げたい。
このような悩みや希望を持っているあなたは、前腿のストレッチ「内側」の意義を知った上でやってみるといいでしょう。
第1・第2との違い
第1・第2ポジションは横に広がり、脚が交差していません。
一方で、第5・第4ポジションは前後に足が位置し、脚が交差しています。
この「交差」が、このポジションのややこしさでもあります。
つまり、「第1ポジションを重ねただけでは、第5・第4ポジションにはなりませんよ!」ということなんです。
脚が交差すると何が変わるのか?
あなたに最も知って欲しいことは「フトモモの骨の角度が変わる」ということです。
骨の角度が変わるということは、その骨に付着している筋活動が変わるということ。
例えば、同じ「A」という筋を活動させているとします。
”第1・第2ポジションだったら、「A」という筋の上の方を活動させるけれど、第5・第4ポジションなら、「A」という筋の中間部を活動させる”
こんな感じです。
もちろん、ストレッチされるところも、このように変わります。
「第1・第2と全く同じようにしたのでは、第5・第4ポジションがうまくいかない」理由はわかりましたか?
ポジションの目安にしたいこと
ところで、第5・第4ポジションで目安にして欲しいことがあります。
●「目安」について書かれている記事は、こちら
https://juncotomono.info/4thposition-plie/
目安とは、アンディオールや骨盤のプレースメントの「地図」となること。
「ここが抜けている=アンディオールも姿勢も悪い」ということなんですよ。
この目安を取りやすくするためにおすすめするのが、テキストに掲載されている前腿のストレッチ「内側」に動かす、です。
一緒にやろう!
「目安」となるところ周辺が、硬くなって機能しにくくなると(収縮したり、弛緩がしにくい状態)、第5・第4ポジションが入りにくくなります。
ここのコンディションを良くしておくことは、全ての動作に良い影響を与えます。
脚やおしりのアンディオールには必要不可欠です。
バレエでは骨盤を立てて、前腿を長く張った状態でポジションをとり、さらに動かしていきます。
ポイントは、前腿にストレッチをかけた状態で内側に動かし、目安のエリアを活動させること。
そのためには、「側面からみたところ」に書かれているような形をとりましょう。
ストレッチをしているときは、前腿がストレッチされている感覚が強く、「目安」エリアの感覚が薄いと思いますが、それでいいんです。
内側に動かすときに、「目安」エリアの骨がぐりぐりと動いています。
ここは、目安エリアのストレッチをしたいわけではなく、骨を動かしてあげることが目的ですので、これでOKです。
ちなみに、ストレッチをかけたい場合は、「9ページのストレッチ4」、「10ページのストレッチ5」がおすすめです。
両方合わせると、さらに良いでしょう。
いかがでしたか?
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大人のバレエ 踊りやすくするためにカラダを整える[バレエ参考書]